心配している女性

低用量ピルは、有効成分エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が低めに抑えられているため副作用が小さくなっており、思春期の小中高学生も使つかうことができます。避妊目的で使用するものだと考えられていますが、実際には生理周期の安定や生理に伴う負担を軽減するといった嬉しい効果があるため、多くの女性が利用しています。ここでは、初めての方にも役立てられる低用量ピルの知識や情報に加えて期待できる効果、さらに副作用や用法などについて説明していきましょう。

避妊をしたいけどピルの副作用が怖い

低用量ピルは、避妊したいけどピル副作用が怖いという方におすすめできます。低用量ピルには、通常のピルよりも含まれる有効成分が少ないですが、十分な避妊効果が得られます。

多くの女性が気になるのが、副作用です。ピルを飲むと何らかのトラブルが起きたり、体に異変を感じるかもしれないと不安がる方も多いですが、気になるようなトラブルはほとんどありません。むしろ実際に使用した女性の多くが、ほぼ100%に達する避妊効果が得られることや体調管理や精神面での安定が得られると感じており、満足度も高くなっています。

中でも低用量ピルは、一般的なピルよりも安全性が高くなっています。有効成分エストロゲンとプロゲステロンの容量が、通常の50μgよりも低い、30~40μgなので不安を感じる方にも安心して使ってもらえます。効果を維持するため毎日服用しなければなりませんが、低用量なので体への負担も少なくなっています。

もちろん全く副作用がないというわけではありません。初めて飲み始めた時期には、多量に供給された成分に体がなれないため、吐き気やだるさ、頭痛を感じる方もいます。個人差もありますが、短い方で2週間前後、長い方だと3週間ほど続く場合があります。この他にも乳房の張りが3~6ヶ月続いたり、服用者の約15%は、ダラダラと血が出る不正出血を経験します。

太ると聞いたことのある方も多いようですが、この薬剤自体に肥満を促す作用は全くありません。ただし体内のホルモンが安定することで食欲の増進を感じる場合があるため、摂取カロリーが増えてしまうと結果的に太ってしまうこともあります。服用することで太ることはありませんが、食欲が強くなった場合は食生活の改善を検討することも大切です。この他にも一時的に体が浮腫むこともありますが、休薬期間になると必ず元に戻るため問題ありません。

服用者の中には、眠気を訴える方も多くなっています。もし服用することで眠気を感じる場合は、睡眠前に服用することをおすすめします。早朝や昼間に服用すると眠気が生じるため、集中力も落ちてしまいますが、就寝前に服用することで眠気の問題は解決できます。また吐き気やけだるさ、頭痛といった問題も睡眠中に収まることが多いです。

中でも注意したい副作用が、血栓症です。血栓症とは、血管壁に張り付いた血栓が血管内を漂うことで詰まってしまう病気です。長時間同じ体勢を維持することで生じるエコノミー症候群の原因でもあり、心筋につまることで引き起こされる心筋梗塞、脳血管に詰まることで生じる脳梗塞などが知られています。いずれも重篤な病気を招く恐れがあります。

血栓症は、ピルの服用者の0.01%(1万人に約1人)に起こると指摘されているため、服用する際には注意しなければなりません。血栓症リスクは、個々人の体質や生活習慣によって左右されます。そのため血栓症リスクの程度を判断するために、処方前に採血検査が行われています。リスクがある場合は、医師から受ける服用や生活に伴う指導を必ず守ってください。

またリスクが低いと判断された方も生活習慣に留意すると安全に利用できます。ポイントとなるのが、動脈硬化と深く関わる生活習慣を改善することです。高血圧の原因となる塩分摂取量を減らす、ブドウ糖や悪玉コレステロールの原因となる炭水化物や動物性脂肪の過剰摂取を避ける、動脈硬化を促すタバコを避けて禁煙する、緑黄色野菜や食物繊維、乳酸菌や不飽和脂肪酸を含む食品を積極的に摂取するなどです。

低用量ピルは避妊以外の効果も得られる

かつての低用量ピルの服用目的は避妊でしたが、女性の社会進出が進んだ現在では、生活質の改善を目的に使用する方が増えています。これは成分エストロゲンとプロゲステロン容量が少ないですが、避妊から日常生活の利便性を高め、生活をより豊かにしてくれます。

女性が悩みがちな生理不順も改善できます。生理不順の多くは、ストレスなどやダイエットによるホルモン分泌のバランスの悪化だと指摘されています。女性の社会進出が当たり前になったことでストレスにさらされる方も増加したことや、無理なダイエットによって栄養バランスが崩れることで生理周期が不安定になりがちです。このような生理不順が続くと女性特有の病気や不妊症リスクを高めてしまいますが、低用量ピルを服用することで改善できます。

生理痛も改善できる症状の一つです。こちらもホルモンバランスが崩れると起きると指摘されていますが、ピルを服用することで体を妊娠状態にするため、月経に伴う腹痛や頭痛といった不快感を大幅に緩和できます。激しい生理痛である月経困難症の方は、腹痛や下痢、頭痛や吐き気などに加えて憂うつになったり、疲労脱力感やイライラ、食欲不振を感じることもあります。このような不快感も緩和してくれるメリットを持ちます。

生理日数を減らせるというメリットもあります。通常の場合は3~7日続きますが、低用量ピルを服用することで2~4日前後に減らせます。また生理日数が10日以上続く場合であっても服用することでホルモンバランスを改善するため、生理日数を大幅に減らす効果も期待できます。

女性がなりがちな貧血リスクも減らせます。月経は成熟した卵子を体外に排出することで新しい卵子を作りやすくします。排出される際に一定の血液も体外に排出するため、貧血リスクが高まります。ピルを服用することで月経に伴う出血量を軽減できるので、めまいや頭痛、動悸や息切れ、倦怠感や疲れが取れにくいなど、貧血に伴う違和感や不快感を緩和できます。

病気リスクを減らしてくれるという嬉しい効果もあります。欧米では服用回数が多い女性ほど子宮がんや卵巣がんリスクを減らせると指摘されています。卵巣がんや子宮がんは、月経の回数が多いほどリスクが増加すると考えられており、ピル服用者の多い海外では卵巣がんや子宮がん、子宮内膜症などが減少しつつありますが、服用者の少ない日本では右肩上がりです。服用日数が多いほど卵巣がんや子宮がん、子宮内膜症など他の女性特有の病気リスクを軽減してくれます。

確実な妊娠のために服用する方も増えています。月経の回数が多いほど卵巣を痛めてしまうため、妊活のために大切にとっておくという新しい考え方です。女性の社会進出が進み30代以降に初産を迎える方が増えており、その時のために妊娠しやすい体質を残しておくためにも使ってもらえます。現代女性は出産回数が経った分だけ月経回数が多くなったと指摘されているため、妊娠したいときに確実に妊娠できる体質を維持する目的で使用する方も増えています。

ピルと言うと避妊のために利用するというイメージがありますが、実際は女性の生活質を向上させるメリットの多い医薬品です。特に生理不順や月経に伴う苦痛や負担を緩和することで生活をスムーズにするだけでなく、女性特有の病気リスクをも軽減できます。また将来の妊活のために卵巣や子宮を守りたいという方にも利用されるなど、避妊以外の目的で利用されています。中でも成分エストロゲンとプロゲステロン成分が少ない低用量ピルは、幅広い年代の女性に使ってもらえます。